🎬 映画ブログ:「ミスターガラス」 (Glass, 2019)
アフィリエイト広告を利用しています
M・ナイト・シャマラン監督が手がける、「アンブレイカブル」と「スプリット」のクロスオーバー作であり、独特の静謐さとドラマ性を兼ね備えたクライマックスでしたので、紹介します。
1.はじめに
『Glass』は2019年1月18日(米国)に公開された、M・ナイト・シャマラン監督・脚本・製作による心理的スーパーヒーロースリラーです。低予算(約2000万ドル)ながら、全世界で2億4700万ドル超のヒットを記録。シャマランにとって、アンブレイカブル三部作(通称Eastrail 177 Trilogy)の完結編にあたります。
2.ストーリー(ネタバレなし)
精神病院に収容された“超能力保持者”たち:不死身のデヴィッド・ダン(ブルース・ウィリス)、多重人格かつ強靭な怪物ケヴィン・ウェンデル・クラン(ジェームズ・マカヴォイ)、そして天才犯罪者エライジャ・プライス/ミスターガラス(サミュエル・L・ジャクソン)。彼らの真の力を疑う精神科医ドクター・エリー・ステイプル(サラ・ポールソン)が登場し、癒せるかのように語りかけますが、それぞれの思惑は複雑に交差していきます。
3.キャスト
・出演者
-
デヴィッド・ダン:ブルース・ウィリス
-
ケヴィン・ウェンデル・クラン/ビースト:ジェームズ・マカヴォイ
-
エライジャ・プライス/ミスターガラス:サミュエル・L・ジャクソン
-
ドクター・エリー・ステイプル:サラ・ポールソン
-
ケイシー・クック:アニャ・テイラー=ジョイ
-
ジョセフ・ダン(息子):スペンサー・トリート・クラーク
-
ミスターガラスの母:チャーライン・ウッドハード
・監督
-
M・ナイト・シャマラン(監督・脚本・製作)
4.今見ても面白い見所
-
“リアル”と“超常”の境界を揺さぶる精神分析劇
主人公たちの能力を“妄想”として扱う精神科医ステイプルにより、スーパーヒーロー観が根本から問い直されます。コミックの比喩性と現実世界の心理学を重層的に描く構成が、他のヒーロー映画とは一線を画します。 -
三者三様の“能力の対比”を示す色彩演出
デヴィッド=緑、エライジャ=紫、ケヴィン=黄色。色彩とガラスモチーフによって、彼らの心理や立場が視覚的に明示されます。 -
実力派キャストによる“内面を掘る演技”
マカヴォイは多重人格の中で“ビースト”と人間的ケヴィンの葛藤をシームレスに演じ分け、ジャクソンは冷徹ながら哀しみを宿す天才を深みある演技で表現。ウィリスも静かに葛藤する孤高のヒーロー像を作り上げています。 -
緻密なキャラクター重視の脚本と演出
派手なアクションよりも、事件や監視、心理戦を通した“人間の本質”が主軸。クリップや象徴的ショットが物語を編み、最終的な“スーパーヒーローの定義”に問いを投げかけます。
5.感想
くデヴィッドやエライジャ、ケヴィンの言葉や表情が頭から離れず、余韻が長く続きました。それぞれが“誰にも証明できない真実を抱える存在”として描かれ、一見似た境遇でも立場や信念がここまで違うのかと、心の深い部分を揺り動かされます。静けさの中に確かに刻まれる執念、狂気、希望。シャマランらしい“静謐かつ深い味わい”は、この三部作のフィナーレにふさわしい演出でした。
6.まとめ
『Glass』は、単なる超能力作品ではなく“人間ドラマとしてのスーパーヒーロー物”の完成形といえます。医師がそれぞれ異なる理想と痛みを抱える三者を観察し、“能力”をめぐる論争にわけ入り、最終的には“人は何のために戦うのか”という根源に問いかけます。スーパーヒーロー映画に飽きた方には、ぜひ観ていただきたいアイロニカルで深い一作です。
時代のヒーロー像が揺れる中、『Glass』は“超能力の皮をかぶった人間賛歌”とも言える作品です。それぞれの痛みと信念を抱えた“止まらない物語”が、静かに響くかもしれません。
↓通称3部作の1つです。