映画『クワイエット・プレイス』(2018)は、独特の設定と緊迫感あふれる展開で観客を魅了したサバイバルホラー作品です。本記事では、この映画の魅力と見どころを詳しく解説します。
あらすじ
音に反応して人間を襲う謎の生物によって、人類が滅亡の危機に瀕した世界。そんな中、ある家族が「決して音を立ててはいけない」というルールを守りながら生き延びていました。彼らは手話を使い、裸足で歩き、道には砂を敷き詰めるなど、徹底した静寂の中で暮らしています。しかし、母親が出産を目前に控えているという状況に直面します。果たして彼らは、赤ん坊の泣き声を抑えながら生き延びることができるのでしょうか。キャストと制作陣
- 監督:ジョン・クラシンスキー
- 主演:エミリー・ブラント、ジョン・クラシンスキー
- 共演:ミリセント・シモンズ、ノア・ジュープ
映画の特徴と魅力
1.斬新な設定
音を出すと即座に攻撃されるという設定は、観客に常に緊張感を与え続けます。日常生活で当たり前に存在する音の重要性を再認識させられます。2.家族愛の描写
過酷な状況下でも家族を守ろうとする姿勢が、観る者の心を打ちます。特に両親の子どもたちへの愛情が印象的です。3. 緊迫感あふれる演出
音を立てないよう細心の注意を払う登場人物たちの姿に、観客も自然と息を潜めてしまいます。この緊張感が作品の魅力を高めています。4. サバイバルの知恵
音を立てずに生活するための工夫や、非常時に備えた準備など、サバイバルの要素も見どころの一つです。5. 出産シーンの衝撃
物音を立てられない状況下での出産という、想像を絶するシーンは本作の白眉と言えるでしょう。評価と受賞歴
『クワイエット・プレイス』は、その斬新な設定と緊迫感あふれる展開で高い評価を受けました。- 放送映画批評家協会賞:SF/ホラー映画賞受賞
- ナショナル・ボード・オブ・レビュー:2018年の映画ベスト10に選出
感想
この映画は、音を出さずに生活することの難しさを痛感させられる作品です。家族との何気ない会話や、日常的な動作で生じる音など、普段は意識しない「音」の存在の大きさを改めて実感させられます。また、敵と直接対決するよりも、静かに生き延びることに焦点を当てた物語展開も新鮮です。家族の絆や生存本能が試される様子が、観る者の心に深く刻まれます。音を出さない生活がこんなにも難しいものか、というのを実感した映画でした。「今日何食べる?、どんな1日だった?」という家族との何気ない会話でさえ、声を落とさなければなりませんし、モノを動かす音、歩くときに生じる音、痛みがあった時に叫ぶこと等あたりあえに存在するこの”音”を制限されることがどれほど生活をしていくのに苦労するかがよくわかりました。
またこの映画は、敵に立ち向かっていくというものよりも必死で家族を守り、ルールの中で生活をしていくことが中心に描かれています。”音”という人間にとって当たり前のもの、そして、他者とつながりを持つうえで必要な”音”(声)が制限されることがどんなことなのかを教えてくれる映画でした。
まとめ
『クワイエット・プレイス』は、独特の設定と巧みな演出で、観る者を90分間釘付けにする傑作サバイバルホラーです。続編も制作されており、さらなる展開が期待されます。ホラー映画が苦手な方でも、その斬新な設定と家族愛の描写は十分に楽しめるでしょう。ぜひ、静かな環境で鑑賞することをおすすめします。そして、この映画には続きがあります。そのことはまた次回に記載しようと思います。